Julius Eastman: The Zürich Concert - CD

ジュリアス・イーストマンが1980年にスイスで行った、即興によるピアノ・ソロ・パフォーマンスを収めた未発表音源『The Zürich Concert』。長年、友人のもとで保管されていたカセット録音が、イーストマン没後40年以上を経て初めて音盤化されました。

本作に収められているのは、70分におよぶノンストップの即興演奏。録音はカセット・テープで行われたため、演奏中にテープを裏返す間に録音が途切れている部分がありますが、それも含めて貴重な記録です――イーストマンが、70分間ノンストップで弾き続けていた何よりの証明です。

1940年、ニューヨーク州生まれ。カーティス音楽院で声楽と作曲を学び、クラシック音楽の訓練を受けながらも、ポスト・ミニマリズム以降の新たな音楽の可能性を切り拓いた作曲家・パフォーマー。ミニマル・ミュージックに、黒人としての経験やクィアとしての視点を融合させた“オーガニック・ミュージック”という独自の方法論を確立しました。

挑発的なタイトルや政治性の高いコンセプトにより物議を醸すこともありましたが、創造力と革新性に満ちたその作品は、後世のアーティストたちに多大な影響を与えています。1980年代後半には経済的困窮の中でホームレス状態にあったとされ、1990年に49歳で死去。現在では、その音楽的業績が再評価されています。

【レーベル】New World Records

【発売日】2017年11月11日

【フォーマット】CD